今年のKONAでハイライズタイプのエクステンションバーを装着したアスリートが一気に増えたことは記憶に新しいですが、エアロダイナミクスが有利な姿勢が保ちやすいのがその理由と考えています。シーズンオフのこの時期にバイクフィッティングの見直しを行う方は多くいらっしゃると思いますのでハイライズバーをセットしたTKSHIVを例にして見ていきたいと思います。
10月のKONAでの走行シーンですが、もちろんこの状態でもかなり姿勢は低くなっています。しかしストレート系のバーですと、姿勢を保持するのにどうしても身体を押し上げる方向に力が働いてある程度頭が上がってしまいます。速度が上がれば上がるほどちょっとした差が影響を及ぼしてきますので更に頭の位置を低くできるように改善していく部分として注目したのがKONAでも多くの選手が導入しているハイライズバーです。
前腕の角度が変わることで肘を支点に引っ掛けるような感じで上体を置けるのでバーパッドは狭めつつ、肘の位置が変わるのでバーパッドは手前に。エクステンションバーは手の位置に合わせて伸ばしています。バーパッドの角度も合わせて調整できると更に良い感じに煮詰めていけるでしょう。(ひとまずは肘のホールドの良いアームパッドへ後日を交換しておさまりの良い状態にしています。)頭の位置は視認性を保ちつつ下げられるようになりましたがバーパッドの高さは5mm上げています。バーパッドの高さは低すぎても身体を持ち上げてしまいますし、高すぎても上体を下げられないので負担が高くなります。エクステンションの変更はただ交換すれば良いのではなく、ハンドル周りのフィッテイングを見直す必要があると言えますね。
上の動画では多くのアスリートが陥りがちな上体を持ち上げてしまう状態を再現。その後に頭を下げて上体をリラックスさせたエアロフォームへ。頭の位置が下がることで空気抵抗を減らすことももちろんですが、頭や上体を持ち上げることで発生する緊張や負担が減りますのでエアロでありながら快適性も高い姿勢を作ることができています。
高いパワーを得る努力も大切ですが、抵抗を軽減することで得られるスピードがあるならばそこに手を加えてみるのも必要なこと。
次のシーズンへ向けたレベルアップのために新たな提案をさせていただきます。トライアスロンバイクのフィッティング、ぜひご相談くださいね!