2015年1月15日木曜日

1月12日インドアトレーニングセッションレポート

先日1月12日。3連休最後の祝日に、エンデュアライフ主催の初イベントをラウンジで開催致しました。セッションは2部構成で前半にエアロフォーム&ペダリングの実践を行い、
後半はバイクなしで行なえるトレーニングを紹介&実践しました。
最後にトレーニングに関しての考え方を座学形式での講義という形で進行。

各項目を掘り下げてというよりは大枠の全体像を捉えていただけるような内容となっております。


お集まりいただきました総勢20名。厚木近辺だけでなく、遠方よりお越しいただく方も。セッションへの期待値の高さを感じました。ぎっしりとローラー台をセットしてスタンバイ。


弊社代表竹谷より、開催のご挨拶と本日の内容・流れを説明。




バイクに乗る上で一番最初に大切な要素である「姿勢」を意識していただきます。

そこで登場したアイテムはカタログ本。腹部の支えを意識するために、他のことをしながら姿勢を保持してペダリング。ユニークな方法ですが、姿勢を支える感覚を掴みやすくなります。



バイクはハンドル・サドル・ペダルという3点が身体と接しています。

推進力を得るためにはペダルに対して力を加える必要がありますが、そのためには自分でしっかりと姿勢を支えることで骨盤を安定させ、脚を股関節から動かせるようにする必要があります。


ラウンジはローラーでぎっしりです。時折外から何をしているのだろう?といった感じで見ていく方も。参加者の皆さんが放つ熱気で冬の寒さもなんのその!といた感じでした。



姿勢を維持するには?脚はどこから動かす?自転車が進むためには何が必要か?といったところの解説には、一つひとつの要素を噛み砕き、時間をかけて実施。

なぜそれを行なうのか?どうしてなのか?という部分に対する的確な説明が理解を促します。



バイクが進む力はペダルに加えた力がチェーンを引っ張り、フリーが回って後輪が駆動することで生まれます。ペダリングではチェーンを引っ張る力を得るためにペダルの上側から力をかけ始めることが必要となります。踏み足側が発生させた力をロスしないため、またその動きを邪魔しないようにペダルへの荷重を抜いてあげることが大切です。



そのためには自分で脚をペダルの上側に持ってくる必要があります。脚がしっかりと上がらないと、引き足側のペダルに持ち上げられる形となることで身体には余計な負担を強いることになりますし、下ろす側のペダルと上げる側のペダルに拮抗した状態を生み出し自分が発生させた力にブレーキをかけることになります。

アクセルを踏みながらブレーキをかけているというイメージをしていただくとわかりやすいかもしれません。

ペダリングは、自分の脚の重さ・動きをコントロールすることが大切です。



膝を高い位置まで持ってくるためには、脚の付け根である股関節から動かす意識が必要です。

他のスポーツを例にとって見るとわかりやすいですが、テニスのラケットを振るのに手首や肘に力が入っていては、素早い動きが難しいと思います。自転車も同じで足首や膝下に力が入っていては素早く、かつ大きな力を扱うことは難しいですね。

エアペダルといって、ペダルに足をつけない状態でペダリング動作をやってみると自分が股関節から脚の動きをコントロールできているのかどうかがすぐにわかります。膝の曲げ伸ばし動作でペダルを動かしている方は、クランクの軌道から足が離れてしまいます。

バイクシューズを使わずに、ペダルの上側から力をかけて、素早く脚の動きをコントロールして反対側のペダルの上側に荷重するという、荷重抜重ドリル。脚の動きが片方ずつコントロールできているかどうかがわかりやすい片足ペダリングなど。

股関節からの動きを一つひとつの動きを確かめながら行なっていきました。できているかどうかを、見て回りながら一人ひとりチェックしていきます。


動きを理解したら普段よりも高いスピードで動かす高回転のドリルを10分間。

速い動きを体験しておくと、普段のスピードがゆっくりに感じます。動作をより正確で丁寧に行なうことにつながります。




踏み台を使ってペダルの上側から力をかけることがやりやすい力点を掴んでいきます。

より強い力を扱う時には姿勢を伏せることで股関節を閉じます。それによって臀部やハムストリングスといった部分が伸ばされます。

筋肉はゴムのように伸ばされてから縮む時に力を発揮しますので、自転車の上でその状態を作ります。

自分の位置関係と力のかける位置を覚えるためにクランクの長さの約2倍となる長さの台でペダルの上側を仮想して実践していただきました。



ペダルに力をかけ始めるポイントがわかったらバイクに乗ってその状態を作っていきます。

今まで行なってきた姿勢の維持、骨盤の安定、股関節からのアップストロークの動きに加えてペダルの上側から1/4の部分で力をかける動き=伝達を行ないます。クランクを時計だとすると12時から3時の位置です。ここでペダルに伝えた力はチェーンを引っ張る力として働き、推進力を得ることができるポイントです。

そこで12時もしくは13時くらいの範囲で抜重して、ペダルの上側に脚を上げてきたら膝を胸で軽く押し返すようなイメージでリズム良く、シュ!シュ!と一瞬力を加える感じです。ダウンストロークは脚の重さもあるので、下まで踏み込んでしまいがちです。下まで踏んだ力は、推進力に変わらないだけではなくその反力が自分の筋力負担につながります。少し負荷をかけてペダルの上側から力をかける部分を実践します。

負担を少なく走るためには力をかけるところと抜くところを感じ取れるセンサーが大事ですね。
自分で自分の身体をどのように動かしているのかを理解することが上達のキーとなります。



セッションの後半はマットを敷いて、インドアにてバイクを使わない中で、かつ限られた時間の中でできるトレーニングを紹介。そしてガンガン行なっていただきました。

事前の予告通り、歯ごたえのあるトレーニングに参加者の皆さんから呻き声(!?)が聞こえるとか聞こえないとか。。。


姿勢を維持しやすくするための、腹筋に働きかけるものから、股関節の動き・可動域や強さを求めるトレーニングを行なっていただきました。





プランクという姿勢を支えるトレーニング。バイクの上でも自分をしっかりと支えることができなければ、動きや伝達といった次の要素は上達していきません。姿勢を作るのは一番最初に必要かつ、大事な部分です。


皆さんお待ちかねの踏み台を使ったトレーニング。ペダルの力点感覚を掴むのにもわかりやすいですが、トレーニングとしても脚を上げることができるようになるための踏み台昇降、ペダルを踏むときに動員される殿筋やハムストリングスに効かせる股関節の曲げ伸ばし動作。可動域を広げるランジなど踏み台一つでバリエーション豊富にトレーニングを行なうことができます。ジムに行く時間のない方でもちょっとした時間で身体に刺激を与えることができるアイデアはフルタイムワーカーの知恵といえるでしょう。

また、踏み台で片脚ずつ動きをコントロールすることで、動きの左右差を自覚することにもつながります。

ペダリング時に起こる動きの不均一を修正するきっかけにもなり得ます。

踏み台を使ったトレーニングは動画コンテンツとしてウェブで発信する予定です。こちらもお楽しみに。



最後に駆け足となってしまいましたが、トレーニングに関する考え方について、座学形式で講義をさせていただきました。「レースという目標から逆算して」「ロングライドで陥りがちなこと」「レースに向けたトレーニングのセルフプランニング」「3種目のトレーニングのバランス」といった内容をお話しています。限られた時間の中で目標を達成するには自分は今何をしたら良いのか?時間を有効に使い数々の実績を残してきた竹谷ならではの言葉に、食い入るように聞き入っていた皆さんの様子がとても印象的でした。


最後に皆さんで記念写真を。2月のセッションでは実走でしか行ないにくい要素をトレーニングできるような内容で、100kmライドを実施します。

100kmの中でトレーニングの意図を明確にし、何を狙ってライドを行なっているのかをわかりやすいように途中でリピートを区間を作るようなトレーニングライドです。宮古島やアイアンマンを目指す方にとってただ100kmを走るのではトレーニングとはいえません。その中で何を目的に、どのように行なうかが重要なのです。

3月のバイクトレーニングキャンプin淡路島も近日募集を開始いたします。

2月のセッションのように目的が明確で集中度の高いトレーニングキャンプを志向していきますので、ぜひご期待くださいね!