ELバイクキャンプやライドイベントでも一緒に走る機会があったため、現状の簡単な状況は把握しておりますが、改善のヒントになるポイントを探していくためRETULの3Dモーションキャプチャーを用いて現状確認。ここでは大きな崩れが起こるような状況は見受けられずバランスは悪くない感じ。
現状が既に最適ともまだこの段階では確定ではありません。今回の大きなポイントとしてペダリングのしやすさを確保しながらエアロポジションをキープし続けられる状態にバイクの接点があることが重要となります。Body Geometry FITのコアとなるフィジカルアセスメントを通じて天方さんの柔軟性や稼動域を確認します。姿勢やアライメント、左右差の有無なども細かく見ていきます。
女性ライダーやアスリートに多い腰の反り。天方さんもその傾向がありバイクで前傾する時に骨盤が必要以上に倒れて股関節の動きに影響する可能性があります。この辺りもポイントになりそうです。
Body Geometry FITにまつわるお問い合わせで良くある事ですが、クリートの調整ももちろん行ないます。クリートのネジが1つ緩んで取れていたのでどうやら意図せず大きな左右差が付いてしまっていた模様。アセスメントでは脚長差としての左右差はありませんでしたのでこちらはしっかりと整えています。合わせて消耗したクリートも新しいものに交換しました。
足元を整えたらサドルやハンドル周りを調整していきます。エアロポジションでは股関節周りの稼動域がタイトになりやすく、DHバーを持って身体を伏せた時に一気にペダリングしにくくなってしまう状態でがんばっている方は多くいらっしゃいます。まず優先しなければならないのは空力ではなくバイクを進ませるために必要なペダリングのしやすさとなります。次にバイクに乗っている時間(IMなら5~6時間程)中に姿勢を保持する余計な負担をしなくて済むこと。この2点がクリアできたらエアロダイナミクスを考えて姿勢を考えると多くの方にとって良い結果に繋がりやすいはずです。
天方さんは柔軟性が高くて低い姿勢も取りやすいですが、現状ですとどうしても股関節の稼動域を超えた範囲でがんばらなくてはならない状態が見受けられました。今回はこの状態を改善することで良い状態へ変化するとの見立てでバイクを調整していきます。サドルを15mm前に。サドルも6mm下げています。ハンドルを15mm上げて、アームパッドを15mm前に。合わせてエクステンションバーを前に出して距離を調整しています。
股関節の稼動域に余裕が持てるポジションに変更したことで骨盤が倒れすぎないフォームがしっかりと保てるようになり天方さん自身も「楽で脚が動かしやすい!」と印象を話してくれました。結果的に頭の位置が下がりエアロ的にも有利な姿勢になれたこともポイントですね!大事なのはハンドルの位置が低いことではなく、乗り手の位置が低くなれることです。
動画によるビフォーアフター。アフターではバイクのポジションはハンドル落差は15mm少なくなりましたが、頭の位置が低くなっていることがわかります。前述の通り本人はアフターの方が余裕があって姿勢を保持しやすいこともポイントです。
この日は先日バイシクルナビでご自身のBody Geometry FIT with Retül体験を記事にしていただいたカージャーナリストの河口まなぶさんがフォローフィットにいらっしゃったので天方さんのフィットが終わった後にTKと3人で確認のライドへ。あいにくの雨模様でしたが良い機会となって幸いです♫
来月のIMケアンズ、そしてKONA本戦と応援しております!!