2019年11月27日水曜日

IM KONA観戦記④

IM KONAレース当日。選手とサポートクルーで車に乗ってスタート会場の近くまで移動。もちろん外はまだ真っ暗です。長い一日の始まり。



スイム会場のキングカメハメハホテルで準備する選手と一緒に待機。集中はしているもののピリピリした感じは無く、同じトライアスロンでもショートとロングの違いはこんなところにもあるかもしれません。オリンピックディスタンスまでのレースだと会場の雰囲気も何となくピリピリした感じがありますが世界選手権であるKONAでは穏やかとまでは言わないながらも違った雰囲気があります。IM独特なのかもしれません。



真っ暗な中で準備を行なう選手たち。朝早いけど眠そうな人は少ない(かな?)

スイムチェックインに向かう選手たち。だんだんと明るくなってきました。スタート地点はメディアパスが無いと入れないためここからはアスリートトラッカーを見ながら選手たちの動きを追います。

今回一番の目的は弊社代表竹谷賢二のM50-54カテゴリーで表彰台に上がるという目標へ向けて、トップや表彰対象である5位までのタイム差を各ポイントで知らせる役割を担いました。レースも見つつ、いつ竹谷が通るかを常にチェックしながら動きます。



バイクがスタート。プロ選手が次々と通過していきます。沿道の応援が途切れることなくすごい迫力!
そこから少しコース上を上がったパラ二ロードへ。ここでも応援する観客が多く、上りも結構な斜度ですがKONAアスリートたちはグイグイと上っていきます。



スペシャライズド&ZWIFTアカデミーの選手。ウェアもバイクも派手!一番わかりやすかったかも。応援しやすいのはこういった派手な配色の方が瞬時に見つけられるので良いかもしれませんね。



選手たちを見届けたら車で先回り。とはいえバイクも速いので応援ポイントのカワイハエでは往路は間に合わず復路にタイム差を伝えるためスタンバイ。



応援も体力勝負!


往路の選手と復路の選手が同じ道を通るので同時に見ることができました。プロが通ったら続々とエイジグループの選手も折り返しから戻ってきます。皆さん上りとは思えぬ速度でグイグイ上がってきます。



前日のバイクチェックインで見かけた以上にSHIV DISCで走るアスリートを見ることができましたがリアのエアロハイドレーションパックが特徴的ですぐ見分けることができます。強風のバイクコースでも安定感を失わずに速度アップに貢献できる設計は正にこのコースの為にあるといっても良いでしょうね。



通過する選手を見つつ、アスリートトラッカーをチェックしながら竹谷を追いますが少しペースダウンしているようで(後からブロッキングのペナルティーでストップとなっていたことがわかりました)皆で心配していました。暑さもあり脱水も進んでいたかもしれません。竹谷の通過を確認してからランコースへ車で移動。ロングのレースはコースが広いのでサポートといっても車が無ければ移動も困難。こうして携わるとトライアスロンは個人個人のレースとはいえ、そこに関わる人たちの手があるか無いかでは大きく違います。一人の選手に対して複数のサポートクルーが関わって一つのチームとして動いていることを実感します。



ラン入ると日差しもより一層厳しくなり、応援している私達も外で立っているだけで消耗してしまうくらい。そんな中選手たちは力強く駆け抜けていきます。



少しするとプロのトップヤン・フロデノが帰ってきました(8時間かかってません!異次元の速さですね)ITUでも頂点を極めた選手でIMでも他を寄せ付けない強さは驚異的です!

KONAを走る選手達の佇まいは、誰もが鍛え上げられた身体付きと立ち振る舞い。そして自信に満ちた表情はアイアンマンの名が示す通りのもの。選手を走らせる為に選手以上にレースを作り上げる人々の熱量も凄い。

現場でしかわからない雰囲気や空気感を肌で感じながら、
いろんな感情が入り混じる中でレースを走る選手達の表情を追っていました。一体何を思っているのだろうか?そんなことを考えながら道行く選手たちの背中を追っていました。レースを走るアスリート達の感じた力強さが沿道で見ている自分にも力強い刺激を与えてくれました。(朝からここまで睡魔を一度も感じないくらい!)

そんな中ラン28km地点でアスリートトラッカーで竹谷の動きが止まった。「何があった?」サポートの皆にも緊張が走る。しばらくするとベテラン谷新吾選手が知らせてくれた。「竹谷君、フラついて危ないよ」と。まさかとは思ったもののどうやらお腹を下した模様。大幅ペースダウンではあるもののサポートクルーに応え、途中のエイドでもストップしながらフィニッシュしない選択肢は無さそうだ。



バイクスタート時の応援ポイントであるパラ二ロードへと戻り帰ってくる選手を待つ。これからランコースへスタートする選手もすれ違う。本当に長い一日だ。

フィニッシュ地点からメイストームスタッフの風戸君から竹谷がフィニッシュしたという一報をもらい少しホッとしたのを覚えている。レース中は自分が走っているわけではないが緊張の糸が張り詰めたような感覚だったから。


レースが終わった翌日朝帰り支度の前に竹谷と話していて、レースを観て出たくなったか?という問いに「はい」と即答することはできなかった。レースを走る選手達の様な佇まいを今の自分と重ねることは残念ながらできなかったからだ。

しかし観て良かったか?と言われれば間違いなく観て良かったと言えます。今の自分とKONAのレースを走っていた選手達との違いはきっと目の前にある課題にチャレンジしてきたかどうか。またイメージできるかどうかだと思えたから。こうして間近で観たことは自分自身が思い描くライフスタイルのイメージをはっきりさせてくれました。



IM KONAという存在。何がこうも人々を惹きつけるのか?頂点を目指す者たちが切磋琢磨する場所であり、壮大なエンターテイメントでもある。皆が希望を持ってそこに集まる。それがKONAという舞台。今回その一端を肌で感じることができたのは得難い経験です。


見聞きすることと体験することは違うものと思ってコナに来たわけですが、そんな選手達とそれを支えて作り上げる人達が織りなすストーリーを垣間見た長い1日でした。社内研修ということで店舗の営業をお休みさせていただき皆様のご理解があってこうしてKONAへ足を運ぶことができました。この4日の間に見聞きしたことはこれからも皆様と共有していきたいのでお会いした際にはぜひ気軽に聞いてくださいね。

長くなりましたが、最後にこの貴重な経験の場を設けていただき、多大なるご協力をいただいた皆様へ厚く御礼申し上げます。