2015年6月21日日曜日

Body Geometry FIT with Retülの勧め

今週フィットを受けていただいた方から許可をいただきましたので一例をご紹介します。


主にヒルクライムやロングライドを楽しまれているHさん。ペダルへ力がうまく伝えられず、自分でポジションをいろいろ試してもしっくりこないというお悩みでした。長距離で肩が凝る。膝の痛みでライドに支障が出ることもあったそうです。膝の痛みの対処としてネットで調べてクリートウェッジを使用してご自身で対応されておりましたが、それも適切かどうか知りたいとのことでした。


コアの強さはまずまずですが、上体の柔軟性に制約がありました。脚長差を除けば左右差は少ない印象です。脚長差に対応するためクリートのセッティングを見直します。影響の可否を判断するためにクリートウェッジは一旦外しました。MUVEを使って低めで後ろに位置していたサドルを調整し、ペダルに荷重しやすい位置にセット。高さも10mm上がり、「脚の上がり方が変わった!」とのこと。




RETULで測定した膝の動きですが、上が調整前です。上側の棒が膨らんでいるのは膝の動きに左右のブレがあるということです。ポジションを調整し、姿勢やペダリングのアドバイスも交えて、姿勢と脚の動きを意識していただくと下のように膝の軌道が安定してきました。ハンドルポジションも柔軟性に合わせて高くしていて20mm程高くなっているにも関わらず姿勢は低く維持できるように。リーチも適正化することで肩に感じていた負担感も大幅に軽減されました。



このように必ずしもハンドルが低ければ低い姿勢が取れるわけではないことがわかります。
その方にとって最適な高さで乗ることが重要です。今回はハンドルが高くなったけれども姿勢は低くできたケース。Body Geometry FITでは柔軟性や支えの強さなどその方の身体の状態からポジションを提案していきます。

支えきれないもしくは伏せられない方が無理に低いハンドルポジションを取ると、その姿勢が維持できず、ハンドルを押して上体を起こしてしまうことがあります。逆に柔軟性が高く、支えも十分な場合に高すぎるハンドルポジションもペダルへの荷重を減少させ、パワーロスを引き起こします。

その方にとって最適な状態を作る必要があるということです。

足元のクリートウェッジ・カント調整は度合いを減らしましたが、結果として膝のブレは減少し、動きは良くなっています。闇雲にシムを噛ませて補正をするのではなく、適正を見極めることも大切と考えています。本人の負担感も減少していることが感覚+視覚的にも理解できる結果となりました。


フィットが終わった後に「ペダリングも改善され、負担感も減少しました。まさかステムが長くなって楽になるとは思わなかった」との感想をいただいております。

自分の動き、個々の柔軟性・可動域に合わせて機材を最適化することでより良く乗れる可能性があります。ライドに悩みを持たれている方、一度ご相談ください。フィットとライドに関するアドバイス。時間が取れる場合は、厚木のライド環境の良さを活かした実走でのフィットチェック&簡易レクチャーも実施しております。

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