2016年2月3日水曜日

シクロクロスにおけるBody Geometry FIT with Retül


以前ロードでBody Geometry FIT with Retülを受けていただいたサイクリスト。今回はシクロクロスバイク(CXバイク)でのフィッティングをご依頼いただきました!ロードバイクとCXバイク、ドロップハンドルがついた車体には変わりないものの、ライドに求めることは変わってきます。

CXバイクはロードと違い不整地を走るため、ぺダリングパワーだけでなく路面状況の変化に応じてスリップせずに走るためにトラクションコントロールがしやすいこと、そして乗車&降車を繰り返せる状態であることも必要となります。

バイク上でコーナーリングとギャップやドロップオフなど地形の変化に応じて重心の補正やバランスが取れるように腰の位置を大きく移動させる状況でも動きやすい状態、左右前後上下と大きく身体の位置を動かせる余裕度が要求されますので、バイクコントロールとぺダリングパワーを発揮しやすい状態の両立を図りながら、ライダーのスキルや経験を考慮してフィッティングを進めます。





以前フィッティングを行なったロードバイクのポジションが左側の数値。右側が今回のCXバイクとなります。ロードバイクはSPECIALIZED S-WORKS TARMACでサイズは52。シクロバイクはS-WORKS CRUXでサイズは49を使用しています。同じROMINのサドルでフィッティングしておりますので純粋に数値の違いが位置関係の違いとなります。

サドルの高さは7mm低めとなり、前後位置は12mm前方にサドルをセットしています。バイクコントロールや不整地でのトラクションを稼げるぺダリングがしやすい状態を想定しながらフィットしていった結果、ロードと比較するとサドルは低め、前めとなっております。

サドルからハンドルまでのリーチはCXバイクの方が短めに。ステムは10mm長めの物を使用していますが、ロードバイクに比べてフレームサイズが小さくフレームリーチが短いため、相対的に距離が近づきやすいジオメトリーであることが要因としてあります。


サドルからブラケットまでの距離もロードバイクは666mm。CXバイクは599mm。サドルに対してブラケットの落差はロードバイクは3mm低く、CXバイクは86mm高くなっています。ブラケット角度もコントロールがしやすく持ちやすいロードバイクと比べるとかなりブラケットポジションに余裕を持てる状態となっていることがわかりますね。



ハンドル落差はロードで41mmハンドルがサドルより低め、CXでは12mmハンドルが高くなるようなセットアップとなりました。グリップ位置と同様にハンドルも高めな状態となっています。



CXでは不整地でのぺダリングをイメージしながら動いていただき、その動きを計測しています。左がロード、右がCXです。ロードよりも足首を動かしてぺダリングパワーを調整してスリップしないようにトラクションを稼ぐ動きが必要ですので曲げ伸ばしの上下で差異のある結果となっています。逆にロードでは足首でこねたり、ペダルをこすりつけるような動きはブレーキをかける動きとなりますので、必要以上には動く必要はありません。

下死点での膝角度も足首の動きが伴うことからサドルは低めであるものの、ロードよりも浅くなっています。ロードとはシューズとペダルが異なり、クリート位置もオフロードでのぺダリングを考慮して深めにセットしていることも要因としてあります。上死点の膝角度は浅めで余裕があります。



前傾姿勢の深さは肩と大転子を結んだ角度のBackAngleという数値で確認できますが、ロードより伏せる角度が5度浅め。クランクの長さはロード.CX共に170mmと同じなので前傾に余裕があるCXでは股関節の屈曲にも余裕が持てます。

肩と肘を結んだ角度で20度。肘の角度で31度浅くなっています。ロードよりもかなり上体の余裕が持てることでバイクコントロールが行ないやすい姿勢が取りやすくなります。

CXのフィッティングでは競技特性である乗降車の繰り返しとクイックなバイクコントロールを可能にする姿勢であること。高いぺダリングパワーと路面状況や地形の変化に対応するトラクションコントロールの両立できるポジションの位置関係が求められることがわかります。

バイクの上でも降りても動きが求められるCX。乗り降りとバイク上でスムーズな重心移動と状況に応じたぺダリングが可能であることはストレスを軽減し、ライドパフォーマンスに大きな影響があることでしょう。一度フィッティングで確認してみませんか?

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