バイクでは集団で走ることができるため、スイムアップの位置が重要になります。バイクでの差も付きにくく、ランでの順位が勝敗を左右します。
今回自分が立てた事前の予想ではフィニッシュタイム2時間が権利獲得のボーダーライン。
スイム:22:00
バイク:1:00(T1 ・T2 含む)
ラン:37:30
合計:1:59:30
上記を目安として臨みました。
結果は22位。今回日本選手権の出場権を獲得するには至りませんでした。
総合タイムは2:08:28。スイム: 0:24:47(23位) バイク: 0:59:25(3位) ラン: 0:44:16(24位)。
各パート毎にレースを振り返ってみます。
ブイまでの距離があるため、先頭から後ろまでの列は長くなります。激しいバトルこそなかったものの、スタートして200m程の所で苦しさで少し後退してしまいました。GPSをみるとそこで大きく左に逸れているのがわかります。
少し左に避けてから自分のストロークに集中することでリズムを取り戻し、ファーストブイを折り返す。キックとストロークのタイミングを合わせることを意識して前方を泳ぐ選手をパス。追いついた2人の選手は同じくらいのペースだったので追い越すことが難しく、前の2人が泳いでいる左斜め後ろに位置取りをしつつスイムアップ。
トランジットへ走る際に、「第5集団だぞ!」との声を聞き、自分が予定より1分以上遅れているのだと確認。バイクラックにもほとんどバイクがない。これはまずいと思いながらも、落ち着いてトランジットを済ませて少し前にバイクをスタートした2人に追いつき前方の集団を追うことに。
合流したHi-RIDGEスタッフの福永選手はバイクが強く、前を追う意思を確認できたので協力してペースを維持。バイクは自分の動きがしっかり行なえているのかを考えていました。姿勢の支えられているか?脚は上がっているか?左右ともに上側のペダルに荷重をできているか?など普段フィッティングでお伝えしていることを意識していました。
昨年の走りから考えると走りの質はかなり高まっていると感じました。スイムとランに練習時間を比重を置いていたので、バイクに割ける時間は少ない中でも踏み台を使ったペダルの力点の確認をフィッティングセッション時に行なっていたことで、それがペダルに対しての入力の位置や姿勢を確認することに繋がりました。自分の動きの精度を高めることでバイクの練習の少なさをカバーすることができたように思います。
第3集団まで追いつきましたが脚を使いたがらない選手が多く、牽制状態。周りに声をかけて先頭交代を促し、集団を機能させるように動きました。
バイクの終了時には前にいた集団の後ろまで追いつけたようで、かなりの人数が一斉にトランジットに進入。落ち着いて一つ一つの動作のミスがないように心掛けて。一連の流れはスムーズに行えてランスタート。V800でとった記録ではボタンを押したタイミングが後になってしまったので正確な時間はわかりませんがT2も30~40秒くらいだと思います。
ショートのトライアスロンだとこのタイム1秒のロスが結果を左右することもあるので特に重要なパートです。第4の種目と言われる所以ですね。
ランはスタートからきつさを感じ、入りの1kmで周りの選手から離されてしまいました。何とか集中を切らさないようにしながらもペースは上がらず。今回一番注力をしてきたのがラン。自分の中でも重要度は高いと捉えていました。
補給も上手くいっていて、コンディションの調整もウエイトコントロールをして調子は悪くないと感じていました。それなのにうまく走れないもどかしさ。ランコースでは知り合いのトライアスロン仲間や先輩・後輩など様々な方に声をかけていただき最後まで走ることができたと思っています。
ランのスプリットで見ると、バイクトランジットから走り出して心拍からはほぼ走り続けるのがギリギリのライン。呼吸も脚もきつい状態です。一番精神的にきつかった部分、6~7km付近はペースダウンしていることがデータからも読み取れます。あとから見返すとこうしたことも客観的な部分に表れてくるので記録を残しておくと振り返りがしやすいです。全力でがんばれている状態で現状のスピードだったということは準備の段階でランのパフォーマンスが十分ではなかったということです。
今回のレースデータ→https://flow.polar.com/training/analysis/124547830
POLAR FLOWの追体験→https://flow.polar.com/training/relive/124547830
全体を通して自分に足りない部分としてスイムとランに重きを置いて取り組んで来ましたが、レースパフォーマンスにおいて2種目とも不足していたことが結果から表れていて部分。
週6~8時間という練習時間の中では今の自分にとってはスイム・ランのパフォーマンスを引き上げるには不十分。取り組む内容=質も大切ですが、最低限のトレーニング量が不足していたことが今回レースに出てみて特に強く感じたことです。
生活の中から自分の能力を高めるのに使える時間を作り、トレーニング時間の確保が課題として浮かび上がります。
スイムは集団で泳ぐときの技術やストロークに頼らず、姿勢・ストリームラインを崩さないようなボディポジションを取れるように。キックがうまく使えておらず、レースの途中から意識するようにして、進む感じが得られたのでこの良いバランスを保てるように。
バイクはペダルに無駄な力をかけないことや状況に応じた姿勢の変化など、特に大きな力を使うときに動きが横にブレてしまいがちな感じを受けたのでレースのように心拍ゾーン4から5の間くらいできつい状態でも無駄のない動きをキープできるようにするためにも、ゾーン3/LT付近での出力を上げることが必要な課題。バイクのコントロールもシーズン後半にMTBのレースにもトライしたいと考えているので、ロードだけではできないアプローチも「できないことをできるように」するためには有効だと考えます。
ランは絶対的な力不足。姿勢も崩れていて、重心の移動も練習の時にできていたことがレースではできていなかった。ランもトレーニング量を確保し、動きの精度を上げること。フォームの改善のために腹部の補強も必要と感じました。バイクでMTBに乗るように、ランでもトレイルやスイムのOWSなど自然の中でできるトレーニングも実践に近い動きを習得するために活用していくことも良いのかなと思っています。
来年もこのレースには挑戦したいと思っています。ライフワークとしてエンデュランススポーツに携わり、挑戦を許されている環境にいるのはとても有難いことです。今回浮かび上がった課題を踏まえ、また少しずつトレーニングを重ねていきます。
このレースのためにラウンジ営業を1日休業とさせていただき、皆様には大変ご迷惑をおかけ致しました。得たい結果とは行きませんでしたが今後も挑戦し続けていきますので、今後ともよろしくお願い致します。
エンデュアライフ
ラウンジ・ディレクター
松田 航介