トライアスロン=前乗り
日々フィッティングをしているとこうした認識はかなり根強いものという印象を受けます。
Body Geometry FIT with Retülを受けていただいたアスリートですが、アイアンマンの3,8kmを58分で泳ぐスイムにフルマラソン単体で2時間53分で走る能力があります。
しかし、トライアスロンのバイクパートの後半に失速してしまうことやバイクの後に走るランのタイムが単発のランと大きな差ができてしまうことからバイクでの負担がバイクパートもさることながら、後に控えているランにも影響を与えてしまっているというところにお悩みのご様子。
フィット前の状態ではいわゆる前乗り。トライアスリートでは見慣れた光景ですが、ペダルに荷重する際に膝が大きく前に出てしまい、これでは上死点でペダルに荷重することはもとより、股関節可動域も狭まることで踏み込み側と反対のペダルから荷重を抜くことが難しくなります。
踏み込み側と反対のペダルに脚の重さが残ってしまうとせっかく加えた力を減少させてしまいます。それによってアクセルとブレーキを同時にかけて走っているような状態が生まれます。
踏み込み側と反対のペダルに脚の重さが残ってしまうとせっかく加えた力を減少させてしまいます。それによってアクセルとブレーキを同時にかけて走っているような状態が生まれます。
そしてペダルを水平から下方向へ強く踏み込む意識が強くなり、ペダルに加えた力の反作用に押し返される形で腰や上体への負担が増大します。イメージし易いように例えるならランで地面に接地した際に脚にかかる衝撃と似ているかもしれません。厄介なのが、踏み込む「力感」が頑張っている感覚に陥るので良い状態なのだと認識してしまいがちだというところです。
ご本人も上体や腰への負担も高いという自覚症状がありました。後はももの前がすぐに張ってしまうとのこと。フィジカルアセスメントでは左右差は見受けられず、柔軟性・筋力は制約がなく、フォームの自由度は高いと診ています。
今回キーとなりそうな部分にペダル荷重ポイントという要素がありますので、フィットに入る前に踏み台を用いてペダルの荷重・力感を掴む練習をしていただきます。
膝が前に出過ぎるとアームレストに荷重が集中し、膝の前にも大きな負担感が出てきます。あえて前に移動したり、後ろに移動したりしながら上死点でペダルに荷重しやすいポイントを探していきます。
これを行なうことでフィッティングを行なう際にサドル・ハンドル・ペダルという接点に関する位置関係の理解が深まります。
RETULを用いてサドルを3cm後退。高さは少し低めだった分、12mm上げています。サドルが後ろに戻る分ステムを25mm短くしてアームレストのリーチを適正化。狭まりすぎていたエクステンションバーの幅も持ちやすいように拡張。
結果、脚が上がりやすくなりペダルへの荷重&抜重もスムーズに行えています。アームレストに乗っかるようになってしまっていた部分も姿勢の支えるポイントをお伝えすることと位置関係の修正によってサドルやアームレストにかかる重さが減少し、ペダルにかかる重さが増やせています。「ペダルが軽く感じる」という感想がそれを示しています。
調整前の実車と乗り比べてもらうと一目瞭然で違いを実感されていました!フィットバイクがあるからこそできるメリットの一つとして、この違いがわかりやすいというところがありますね。
フィット後に同じ位置で撮影してみました。ペダルの上死点を捉えられるようにリバランスしたことで上体にも余裕が生まれ、負担が軽減して少ない力でペダリングを行えるように。
ペダルに力が加わることで自転車は進みます。ロードでもTTでもMTBでもそれは同じ。そのためには膝が前にあり過ぎても、後ろにあり過ぎても効率よくペダルに力を加える事はできません。今一度ご自身のバイクが必要以上に膝や上体が前に出てしまう位置関係になっていないかどうか確認してみてくださいね~
とは言え、自分では行ないにくいことでもありますので確認の為にもフィッティングを受けていただくことをおすすめします。27日、年内最終営業日もまだ予約が可能ですので、気になる方はお問い合わせくださいね!!
ご予約はこちらから→http://endurelife.co.jp/form.html