レースにエントリー、遠征の準備ができたら早速トレーニングを開始していくことになると思います。トレーニングといっても何を目指して行なうのか?達成するためにどのくらいの時間がかけられるのか?今の自分に必要な能力は?(スキル・フィジカル・メンタル)何ができていて何が足りないのか?といったことを踏まえてやることを決めていきます。
ターゲットとすることや個人の持っている能力が異なれば当然やることは違ってきます。そういったことを踏まえつつ、やるべきことを考えていきます。
〇まずは何をターゲットとするのかを明確にします。
子どもが生まれてから約2年の間、トライアスロンのトレーニングからは離れている時間が長かったので様々な能力は著しく低下しています。15年弱トライアスロンと関わっているとはいえ、正直なところ少し取り組んだくらいでIMに出てすんなり走り切れるほど甘くはないと思っています。イメージとしては自分がこれから取り組まれる方だとして、IM(70.3/ODでも)にチャレンジして完走を目指す。というのが今回の目標です。一般的には半年~1年くらいのスパンで考える感じとしてその縮小版と思っていただければ。
トライアスロンのレースだと人との競い合いという要素は少なく(プロや上位の選手にはその要素も重要となってくると思いますが)3種目のタイムやフィニッシュタイムで自分自身が達成できるであろう尺度を持っておくのが良いでしょう。フィニッシュタイムを計算できるサイトで完走タイムの目標を設定しました。
現状とこれから獲得できるであろう能力を掛け合わせて達成したい水準を設定しました。ここは個別に違うと思いますので必ずしも周りの人を参考にしなくても構いません。自分自身としては12時間を切るという目標を立ててみます。
〇達成するために必要な時間を確認します。
目標までの時間を期分けして内容を決めるといったことは広く知られていますが、今回はエントリーからトレーニングできる時間としては約90日程。(こうしている間に85日くらいになっていますが…汗)1年や数年といった中長期ではなく短期的な視点での取り組みとなりますね。
〇現在の能力と必要な能力・獲得したい能力
まずスイムは3種目の中でも技術的な要素が高く、一度ある程度の水準まで能力を高めた経験があるので大きく低下することはありません。もちろん体力的な水準はトレーニングをしなければ低下していきますので必要であることには変わりありませんが優先順位として1番後になるかと思います。例えばトライアスロンへチャレンジする方が元々水泳に取り組まれていて泳げる場合と少し近いかもしれません。
バイクは仕事柄ではありますが体力的な変動がタイムに大きく影響しますのでトレーニングの組み立てとして時間の割り当てを増やします。ランもですがバイクは時間が長いのでタイムの比率も大きくなります。2年前に比べて体重増加もあり運動量を増やしていく意味でもバイクは活用しやすいですね。
ランはバイクと同じくレース時間も長く、走れる・走れないでタイムも大きく変わってきます。一番能力の喪失が早い種目なので完走を目指すにあたって強化していかなければならないところです。
〇具体的に何をやっていくかを決める
トレーニングは1日・1週間・1か月と単位を区切りますが、自分で見た時にわかりやすく、「次はこれをやろう」といったように行動に移しやすいのも大切だと思います。あまり先のことを計画しても目の前にある課題に対して行動しなくなるといったことがあっては本末転倒です。その意味では自分にとって3か月という時間は集中するのに最適なのかもしれません。(もちろん時間があった方ができることは増えると思いますが)
まずは1日&1週間単位のやることを設定しますが、生活と仕事を念頭に置いてパターンを作ってみます。下記は1週間のメニュー例です。毎週同じことを繰り返すわけではありませんが基本はこれを基にアレンジしながら実施します。
IMを完走するためには長時間動き続ける能力が必要です。ですのでLSDやペース走といったライトやモデレートくらいまでの強度が中心です。レースに近づくにつれて1度に行うトレーニング量は増やせるようにしますが狙いとするメインの強度はモデレートやライトとなります。それ以上の強度でIMを走るのはレースでの想定としてはマッチしていないのでハード以上の強度は今回グループトレーニングの中で少し行う程度に留めます。週当たりの平均トレーニング時間としては10時間を目安としています。運動による負荷や刺激の量としてこのくらいは確保したいところです。KONAアスリートともなれば週20時間~をこなす人も少なくないようですが理想を追い求めたところでできなければ意味がありません。
タイムを狙うなら速く走るためのトレーニングという要素もありますが、今回は運動することに対して適応することとメインの狙いとなる長時間動き続けるための能力獲得となると、強度低めの運動を頻度を上げて取り組むことが効果的と考えます。
運動強度とトレーニング効果に関する考え方は低強度・長時間であったり、短時間・高強度であったりよく対比で議論されることもありますがどちらも必要ですしトレーニング効果として優れているからそれだけやっていれば良いのか?というとそういうわけでもないと思います。
大切なのはマキシマム・ハード・モデレート・ライト・イージー全ての運動強度でバランスよく行なうことと自分の現状に合ったトレーニングを考えて実行すること。現在のフィットネスレベルでHITTのような苦しいトレーニングを中心に行なったとしてもきつくて身体もついていかず嫌になってやめてしまいそうです(苦笑)
なので1つのやり方として運動への適応と有酸素能力の向上をメインとして組み立てていきます。皆さんにとって必要なこととはまた別かもしれませんが、個別性の原則ということで能力や狙いに合わせたトレーニングを処方することが大切です。
また増加した体重(-10kg!)を適正に戻すことも運動による効果として狙いたいところです。それだけでは難しいので食事の調整も必要になりますね。カロリーのバランスをP・F・Cの順にコントロール。昨今主流の考え方である脂質をメインとしたエネルギー代謝を促進させて身体を絞るためにも良質な脂質とタンパク質を多めに取り入れます。「食事から全て摂るように」というのが一般的な栄養指導かもしれませんが現実的にできないことも多くあるので足りないところはサプリメントを積極的に活用します。サプリメントに必要以上の嫌悪を抱く必要もないと思いますし、むしろ補強の意味では活用すべきではないでしょうか。あくまで個人の見解ですが。。
幸い弊社では良質な脂質を補給できるニッスイのスポーツEPAやタンパク源としてアミノ酸のアバンドがありますのでこれらは世界的にも厳しい検査をクリアし、信頼されているのでアンチドーピングとしても心配ないものです。
そして1番重要視しているのは継続すること。そのためには「閾値」を上げすぎないこと。自分の経験的な失敗としても「このくらいやらなきゃ」といって計画してみるものの辛くなってやらなくなってしまうことがありました。継続するためには乗り越えやすいハードルを設定することが重要だと考えているのでトレーニング計画は立ててみていますが、まずは行動してみて思うようにできなかったり、足りなくてもっと進められそうなら都度修正をかけるというスタンスで取り組んでみます。平たく言うとまずやってみてそれから考えよう。といったところでしょうか。
レースで走るのは1人ですが、トレーニングは仲間と行なうのも集中力やモチベーションを維持することに役立ちます。自分も木曜日ですがトレーニングセッションを開催しどなたでも参加いただけるようにしています。もし都合が合う方がいればぜひ一緒に行ないましょう!同じレースに出る方なら情報交換などもできますしメリットは多いと思います。
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